
いろんなブログやYouTubeなどで副業のことを勉強して、とりあえず始めてみたけど、結果は出ないし続けるのが苦痛…。
でもかなり時間も使ったし、教材も買ったりしたから、やめるのもったいないような。。。
我慢して続けないといけないのかな?別のことを試した方がいいのかな?
そんなお悩みに、為末大さんの著書『諦める力』は参考になります。
本記事の内容
- 為末大さんの『諦める力』に学ぶ、「勝てる分野で戦う」戦略
- 「諦める」という言葉はネガティブな意味ではなかった
- 何が自分にとって大事か、自分軸を持つ
何かを始めるきっかけって人それぞれですが、途中でやめることに対して、多かれ少なかれ罪悪感みたいのを感じますよね。
でもそれって、「諦めること=良くないこと」という価値観で見ているからだけであって、別のことをしたらもっと輝ける場所があるのに、「時間を無駄にしている」という考えもできるわけです。
継続できないことは向いていないことかもしれないですし、早めに方向を切り替える方がいいこともあります。
為末大さんの『諦める力』を読んで、単にスポーツのことだけでなく、ビジネスパーソンにとっても、自分が戦う場所を考える上で「ポジショニング」とか「ブランディング」などを考えるきっかけを与えてくれます。
詳しく説明します。
『諦める力』の概要
- 「諦める=明らめる」自分の能力を明らかにして、自分を悟る。
- 勝てる分野で戦う。成功できないのは努力が足りないからでは無い。
- 成功できる人は一握り。努力の量と成功は比例しない。
為末大さんの『諦める力』は、為末さんが陸上競技を通じて感じた「諦める」ことの重要性を書いています。
為末さんはまだ高校生の頃に、タイムの伸び悩みから、陸上の花形種目である100m走から400mハードルへと主戦場を変えることになります。
はじめは不本意に感じたものの、次第に「自分に向いているし、まだ競技として成熟していないので、400mハードルでメダルを狙う方が狙いやすい」と感じました。
勝つことを諦めたくないから、勝てる見込みのない100mを諦めて、400mハードルという勝てるフィールドに変えた
そこから次のようなことに気づきます。
- 努力すれば必ず成功するわけではない。さして努力しなくても成功する分野を選ぶべき。
- 勝つという目的を変えなければ、手段は変えてもいい
これらはビジネスパーソンにおいても、同じことが言えますね。
例えば、英語を学んでそれを武器にしようとしても、世の中には帰国子女が山ほどいて、ネイティブな彼らと争っても勝ち目はない。
でも、非ネイティブが英語を習得する学習方法を武器にするなら、単なる英語力の勝負とは異なるフィールドになります。
自分をどのようにポジショニングするか。
『諦める力』がビジネス書のコーナーに置かれている理由が分かります。
『諦める力』のレビュー 感じたこと

なぜこの本を読むことにしたの?
この本を読むきっかけは、マナブさんのYouTubeで出された宿題で、視聴者に読書感想文を書いてもらうというものでした。
課題の本が5冊ありましたが、『諦める力』を選んだのは、次の理由です。
- 自分もスポーツをしていたので、アスリートの本に興味があるから
- サッカー選手を夢見てブラジル留学をした経験があり、諦めたことに複雑な感情が残っていたから
『諦める力』という、ネガティブな言葉をポジティブに捉えるフレーズが響く人は、きっとたくさんいるのでしょうね。
ポジティブなこと
『諦める力』を読んで感じたポジティブな感想は、次のとおりです。
- 成功しなかったことで自分を責めなくていい
- 自分が勝てる場所を探して、早く切り替えることが大事
為末さんが選手としての晩年にタイムが伸びなかった時は、いくら努力しても結果が向上しなかったそうです。
そこで感じたのは
「努力すれば必ず成功する」というわけではないので、逆に言えば、
ということです。
(全く努力していない場合は論外ですが)
私は自分がそこまで追い込んで努力をできないタイプなので、まさに「成功しないのは努力が足りないから」と自分を責めることが多かったです。
・努力を辛いものと感じずに、楽しく続けられる分野
を選ぶことが大事なんだと教えられました。
何かを始めても継続できない人は、成長を実感できないからモチベーションが続かないのであれば、それ自体が自分に向いていないことなのかもしれません。
ネガティブなこと
『諦める力』を読んでいて、少し気になった点、というか難しいと思った点が、
- やめなければ失敗はない
- 100回叩いて壊れる壁なのに、何回で壊れるか分からないから90回まで来てるのにみんなやめてしまう
といったことがあって、継続することが大事なのは、これはこれで正解だと思います。
一方、「辞めどき」に迷ってダラダラ続けてしまうと、別のことで輝ける機会を失ってしまう、ということも真理であるし、判断が難しいですよね。
『諦める力』では、どこかで線引きして自分なりのルールを作ることを推奨しています。
本人が納得感を持ってやめるしかないので、こうしたルールを作って、儀式のように「やめるきっかけ」を作ることも提案されています。
もっともこれも自分なりに「やり切った感」がないと、なかなか難しいですね。
これは『諦める力』の主張を否定するわけではないのですが、なかなか一般人にはすぐには難しいので、普段から考えておく必要があるのでしょうね。
『諦める力』から学べること
私がこの本から学んだのは、次のとおりです。
- 自分が勝てる分野を探す大事さ
- 何が自分にとって大切か、自分の軸が何か、を自問自答することの大切さ
自分が勝てる分野を探す大事さ
これはビジネスにも通じることですが、ポジショニングが大事ということですね。
- どの分野なら勝てるのか。
- どの分野なら、それほど苦労しなくてもパフォーマンスを向上させられるか。
- どの分野なら努力を辛いと感じず、結果として、人より努力を積み上げられるか。
自分の能力や適性を客観的に見て、どこを攻めて行くかという戦略が大事です。
何が自分にとって大事か、自分軸を考える
人生はトレードオフの関係で、Aを求めればBを諦めざるを得ない。
スポーツに執着しすぎたことで、別の可能性を潰している可能性もあるということですね。
どこに価値を置くかは自分で決めるしかなく、その自問自答を繰り返す中で、自分にとって何が大事か判断していく必要があります。
誰かのアドバイスは、あくまでアドバイスにすぎず、最終的に決めるのは自分自身の価値観ということですね。
✔︎まとめ
『諦める力』から私が学んだことは、次の通りです。
- 戦略を考えているか
- 自分にあっているか
- 周囲の声に惑わされず、自分で決めているか
私も諦めた過去をネガティブに引きずっていたものの、『諦める力』を読んだことで、実力不足で自分が勝てる分野ではなかったと、素直に納得できました。
さらに、自分がいま戦っている場所が、戦略を考え抜いて決めた場所なのか。
そんなことも改めて考えさせられました。
為末さんは、「たかが仕事、たかが就活…」と思えば気が楽になり、萎縮することなく全力が出せると話します。
いい意味で軽く考えることで、行動量を増やせるようになるといいですね。
継続することができないと悩んでいる人、または進んでいく方向がが正しいのか迷っている人、あるいは続けることが苦痛になって向いていないと感じる時に、ぜひ読んで欲しい本です。
違う道を選択したほうがいいのかも、と感じながら、「せっかくここまで続けてきたのに」とか、諦めることに罪悪感を感じて惰性で続けている方もいるでしょう。
「努力すれば必ず成功する」という呪縛から解き放たれて、自分の軸で進むべき道を選択できるようになればもっと生きやすくなるはず、と思わせてくれる。
そんな良書でした。